村井さんの故郷に盗賊が出たが、乱世ゆえに警察も軍隊も来てくれない。そこで村井さんは侍を雇うことにした。
そうして7人の侍が雇われた。
侍達はさすが職業軍人だけあって、強かった。あっという間に盗賊を蹴散らしてくれた。
あまりの強さにあっけにとられた村井さんは一つのアイデアを得た。
「盗賊を倒しても一円の得にもならない。どうだろう。隣村を襲うというのは」
「それは良い考えだ。隣村と言わず、この村から」
村井さんの故郷は焼かれて倉庫の米は全て持ち去られた。
(遠野秋彦・作 ©2023 TOHNO, Akihiko)